日本では今から3年ほど前の2016年頃から注目されるようになったRPAですが、近頃はIT用語として用いられることも増えましたね。
RPAについて名前は聞いたことがあるものの、具体的にはどのようなものなのかわからない人もいるのではないでしょうか。
そんなあなたにRPAについて説明します。
■RPAとは?
RPAは「Robotic Process Automation(ロボティック・プロセス・オートメーション)」の略語です。業務のなかでも定型化されている“ホワイトカラーデスクワーク”をロボットに代行させて、自動化する技術のことをいいます。業務を自動化するソフトウェアを仮想知的労働者である「デジタルレイバー・デジタルワーカー」と呼ぶこともあります。
RPAが生み出された背景としては、生産労働人口が減少しているなか労働力を維持しながら業務の向上を考えなくてはいけなくなりました。働き方改革などでも人手不足を補いながら、今までとは違った働き方が求められるようになりました。到来よりも少ない人数の生産力を出すために注目されたのがRPAです。
RPAの言葉はさまざまな場所で使われており、2025年までには事務の業務1/3はRPAに置き換わるとも言われています。RPAを背景に安い海外の人件費を活用したり、社内の業務を外部に委託する市場は2020年までに4兆円にもなると言われています。
■RPAのメリット
業務効率化
RPAは優先順位や投資収益率などが見合わない観点から見送られてきたシステム化を形にしています。業務の品質を落とすことなく、低コストで導入できる良さがあります。RPAは伝票作成・帳簿入力・経費チェック・顧客データの管理・ダイレクトメール送受信・情報収集などの、一般的な事務が行う作業の質を落とすことなく代行してくれます。
これまでは人間でないと対応できないと言われていた業務を、人間に代替えして実施できるツールになります。RPAは一定のルールに従って繰り返す作業や、データが構造化されているものとは、特に相性がいいと言われています。
同時に人間が業務を行っていると必ず起こりやすいヒューマンエラーの抑制にも繋がります。人のように休憩を取る必要もないので24時間365日休まず働き続けることができるのです。
コスト削減
RPAのコストは人件費の1/10程度と言われており、固定で人件費をかけるよりも大幅なコスト削減に繋がると言われています。RPAツールは日本製から海外製などさまざまな種類が出ており、年間使用料が必要になります。
安いもので数十万円程度、高いものになると1,000万円以上の費用がかかります。またパソコン1台で入れられるものもあり、今まで高い人件費で悩まされていた企業にとっては大幅なコスト削減に繋がるのです。
■RPAの導入事例
RPAの導入事例を調べると、豪州金融最王手のANZ社や、Google・Uberのようなハイテク系の優良企業や多くの国内企業でも実際に取り入れられています。今後も作業を効率化させたい企業にRPAの需要はさらに伸びていくと予想されています。
大手都市銀行
20種類の煩雑事務作業をRPAに置き換えることによって、年間で8,000時間の事務処理作業を削減しました。※1人1日8時間で計算しています。今後の展開として、業務の効率化によって、事務を担当していた社員は重要な業務にあてることができるようになりました。システムを連携させることによって業務の単純化も考えられるようになりました。
伊藤忠商事株式会社
RPA製品の1つであるUiPathを導入し、年間100のロボットを稼働させ提携業務を削減しています。高付加価値業務に注力することで、限られた時間の有効活用を実現しています。2017年春頃からRPAを取り入れるのを検討し、10月には正式に同社のオフィシャルツールになりました。ロボット開発者7名を育成して2018年4月にはCOE(Center of Excellence)をIT企画部の中に立ち上げました。
今後は大企業のみならず中小企業も積極的にRPAを導入する傾向が高まっていくでしょう。
RPAは定型業務の新しい形です。余計な人件費をかけずコスト削減に繋がります。その結果、企業として新しい分野にチャレンジするなど成長を促すことにもなりますよ。